2026/06/13 00:14

備前焼のつくり方は、土づくり → 成形 → 乾燥 → 窯詰め → 窯焚き → 窯出しという6つの大きな工程で進みます。
備前焼ならではの技術的ポイントが分かるように、工程を順番に整理して解説します。

■備前焼のつくり方(工程の全体像)
備前焼は釉薬を使わず、土と炎だけで仕上げる焼き締め陶です。
そのため、土づくりと窯焚きが作品の表情を決める最重要ポイントになります。

1. 土づくり(原土の処理)
備前焼の土は「ひよせ土」と呼ばれる鉄分の多い粘土です。

工程は以下の通りです:
原土を乾燥 → 粉砕
水簸(すいひ):水に溶かして砂や石を沈殿分離する
石より:あえて小石を残して「石はぜ」の景色を狙うこともある
どべ化(土作りの工程で原土を水に溶かしてドロドロの泥(通称・ドベ)の状態にすること)
 → 水分調整 → 熟成(数週間〜数ヶ月)
※備前焼は釉薬がないため、土の質がそのまま作品の表情に出る点が他産地との大きな違いです。


2. 成形(ろくろ・紐作り・たたき)

代表的な成形方法:
電動ろくろ:一般的。均一で精度の高い形が作れる
紐作り:壺・甕など大物に多い。時間はかかるが強度が高い
たたら作り:角皿・板皿などに使用
たたき技法:土の表情を強く出したいときに用いる

成形後はヘラで仕上げ、底の処理や口縁の整えを行います。


3. 乾燥(ゆっくり・均一に)
備前焼は焼成時の収縮が大きいため、乾燥ムラは割れの原因になります。

棚で自然乾燥
冬は凍結防止、夏は急乾燥を避ける
大物は特に時間をかけて乾燥させる


4. 窯詰め(景色を決める最重要工程)
備前焼の魅力である窯変(ようへん)は、窯詰めでほぼ決まります。


炎の流れを計算して作品を配置
緋襷(ひだすき):藁を巻いて赤い線をつける
胡麻(ごま):松灰が溶けて粒状に付着
牡丹餅(ぼたもち):土片を置いて影を作る
桟切(さんぎり):炭に埋めて青灰色に
※信楽焼の自然釉とは異なり、備前焼は灰の付着や炎の当たり方を精密に狙うのが特徴です。


5. 窯焚き(1週間〜10日、1250℃前後)
燃料は赤松の割木が基本で、徐々に温度を上げ、最終的に約1250℃まで温度を上げます。
昼夜連続で薪を投入し、炎の流れ・灰の量・還元/酸化のバランスで景色が決まります。
※備前焼は「偶然の景色」と言われますが、実際は高度に計算された窯焚き技術です。


6. 窯出し・仕上げ
窯を4〜5日かけて自然冷却します。
急冷は割れの原因になります。
灰や付着物をブラシ・砥石で処理します。
水洗いして完成です。

備前焼は「土と炎の焼き締め」という点で、信楽焼よりも窯変のコントロール性が高いのが特徴です。


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