2026/04/18 22:58

熊本県八代市で作られる「高田焼(八代焼)」の中でも、特に渋く重厚な魅力を持つ〈黒高田〉について整理します。  
(※新潟県上越市の「高田焼」と名称が重なりますが、黒高田は熊本の八代焼系統の技法・歴史に属します。)

■黒高田(くろこうだ)とは
八代焼(高田焼)に見られる黒釉の器で、鉄分を多く含む釉薬を高温で焼成することで生まれる深い黒色と艶が特徴です。
白土象嵌が有名な八代焼の中で、黒高田はより素朴で力強い表情を持ち、日常使いの器として古くから親しまれてきました。

■黒高田の主な特徴
1. 深く艶のある黒釉
鉄分の多い釉薬を高温焼成することで、漆黒〜焦げ茶の奥行きある黒が生まれる
光の当たり方で表情が変わり、料理を引き締める

2. 素朴で重厚な存在感
八代焼の初期作品は褐色・黒色・青色などの釉薬を使った素朴な作風が多く、黒高田はその流れを汲む
土味がしっかり残り、現代の食卓にもよく合う

3. 日常雑器としての実用性
元々は庶民の生活を支える器として発展
丈夫で扱いやすく、普段使いの皿・碗・徳利などに多く用いられた

■黒高田と白土象嵌(白高田)の違い
色調 黒高田:黒釉による深い黒 白土象嵌(白高田):白地に黒象嵌、または褐色地に白象嵌
技法 黒高田:黒釉を施す 白土象嵌(白高田):文様を彫り白土を埋め込む象嵌技法
印象 黒高田:渋く重厚、素朴 白土象嵌(白高田):端正で雅、茶陶的
歴史的役割 黒高田:日常雑器として普及 白土象嵌(白高田):藩の御用窯で発展した格式ある器

■黒高田の歴史的背景(八代焼の中での位置づけ)
八代焼(高田焼)は400年以上の歴史を持つ熊本の代表的工芸です。
朝鮮陶工・尊楷(上野喜蔵)により17世紀に始まりました。
初期は黒釉・褐色釉など素朴な器が中心で、黒高田はこの系譜です。
のちに白土象嵌が発展し、八代焼の代名詞となりますが、黒高田も伝統的スタイルとして継承されていきます。

■黒高田の魅力
・料理が映える
黒の器は和食・洋食どちらも引き締め、特に野菜・刺身・肉料理が鮮やかに見えます。

・現代の食卓に合うミニマルな美
マット〜艶ありまで幅があり、シンプルな形が多いので普段使いしやすいです。

近年は八代焼の若手作家が黒釉を現代的にアレンジした作品も増えています。

■黒高田の扱い方(基本)
黒高田は焼き締めではなく釉薬陶器なので、信楽焼のような「目止め(米のとぎ汁で煮る)」は不要です。
ただし、黒釉の性質上、以下を意識すると長持ちします。

1. 急冷・急加熱を避ける
黒釉は温度差に弱い場合があります。
電子レンジ・食洗機は基本的に可だが、作家物は控えめにしましょう。

2. 油汚れは早めに洗う
黒釉は油膜が残ると曇って見えることがあります。
中性洗剤で優しく洗うだけでOKです。

3. マット黒釉は金属跡がつきやすい
ステンレスカトラリーで擦ると銀色の跡がつくことがあります。
メラミンスポンジで軽くこすると落ちやすいです。


#工芸品
#高田焼


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