2025/11/08 09:30

日本三大焼き物は、美濃焼(岐阜県)、瀬戸焼(愛知県)、有田焼(佐賀県)です。
美濃焼と有田焼はご紹介したので、いよいよ瀬戸焼のご紹介です。

瀬戸焼は、愛知県瀬戸市を中心に作られていて、千年以上続く、日本を代表する陶磁器です。
「せともの」という言葉の語源にもなったほど、日常生活に深く根付いた工芸品です。


■瀬戸焼の概要と歴史
瀬戸焼は、平安時代中期に始まり、千年以上の歴史を持つ焼き物です。
越前焼、丹波焼、備前焼、常滑焼、信楽焼と並び、「日本六古窯」の一つに数えられています。

「せともの」の語源: 
瀬戸焼は、その品質の高さと全国的な普及により、陶磁器全般を指す「せともの」という言葉の語源となりました。
これは、瀬戸焼が日本の日常生活に深く根付き、信頼を集めていたことの証です。

起源:
古墳時代後期(5世紀後半)、猿投窯で須恵器の生産が始まったのが起源とされています。

初期:
平安時代後期には、中国陶磁をモデルとした施釉(せゆう:釉薬を施すこと)陶器「古瀬戸」が生産され、
室町時代まで国内唯一の施釉陶器の産地として発展しました。

室町〜江戸時代:
高級品「古瀬戸」から日用雑器へと展開し、日常生活の食器や道具としての需要が高まり、日用品としての地位を確立しました。

近世の転機:
一時的に陶器生産が伸び悩んだ後、19世紀(江戸時代後期)に陶工・加藤民吉が九州の有田で磁器の技術を学び、瀬戸に持ち帰りました。
これにより磁器生産も始まり、生産が再興しました。
他にも、明治以降は食器や装飾品に加え、碍子・自動車部品など工業製品にも展開していきます。

■瀬戸焼の主な特徴
前回の美濃焼もそうでしたが、瀬戸焼も陶器(土もの)と磁器(石もの)の両方を生産している点が特色です。
これは全国的に見ても珍しいことです。

1. 陶器と磁器の両立
陶器: 釉薬(ゆうやく:うわぐすり)を巧みに駆使した装飾が特徴で、国の伝統的工芸品に指定されている「赤津焼(あかづやき)」などが代表的です。
磁器: 白い素地が美しく、呉須(ごす)という顔料を用いた青色の絵付けが特徴の「瀬戸染付焼(せとそめつけやき)」などが知られています。

2. 多様な釉薬の美しさ
色とりどりの釉薬の使用も瀬戸焼の大きな特徴です。釉薬を施すことで、器に光沢や色味が生まれ、耐水性が増します。

黄瀬戸(きせと)  : 微量の鉄分により黄褐色に発色する釉薬。
灰釉(かいゆう)  : 植物の灰を用いた伝統的な釉薬で、青色や黄緑色などを呈します。
鉄釉(てつゆう)  : 鉄分を呈色剤とし、鉄の含有量により黄褐色から黒色まで発色します(例:瀬戸黒、天目釉)。
志野釉(しのゆう): 長石を中心に使用し、白濁した白色に発色します。

3. 良質な陶土
瀬戸の陶土採掘場からは、耐火性が高く可塑性に富み、鉄分をほとんど含まない木節粘土(きぶしねんど)や蛙目粘土(がいろめねんど)が採れます。
これにより、白く美しい焼き上がりを実現し、それが多彩な施釉製品を生み出す基盤となりました。

他にも「瀬戸で作れないものはない」と言われるほど、食器・花器・置物・産業用品まで幅広く対応する製品の多様性も特徴の一つです。

瀬戸焼は、長い歴史の中で常に新しい技術や文化を取り入れながら進化し続けてきた、非常に奥深い工芸品です。

代表的な技法として以下のものが挙げられます。
瀬戸染付焼:白磁に藍色の顔料「呉須」で絵付けし、透明釉をかけて焼成する
赤津焼    :釉薬を駆使した装飾が特徴の陶器です

さらに「用の美」として実用性と美しさの調和や茶道や禅の影響を受けた静謐(せいひつ:静かで安らかなこと)な造形、
自然環境と地層が窯業を支え、町全体が「やきものの町」として発展した地域との結びつきも特徴として挙げられます。

瀬戸焼は、伝統と革新が融合した工芸品であり、日常使いから贈答品、さらには産業用途まで幅広く活躍しています。

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