2025/08/09 10:58

波佐見焼と有田焼は、どちらも長崎県と佐賀県にまたがる隣接した地域で作られる磁器で、
歴史的にも深く関わっていますが、いくつかの違いがあります。

主な違いは、絵柄、用途、価格帯です。


有田焼は佐賀県有田町を中心に、豪華な絵付けや装飾が特徴で、美術品や贈答品として扱われることが多いですね。
有田焼は華やかな絵付けが特徴で、白磁に美しい染付や色絵を施した華やかなデザインが多いです。

参考までに、有田焼は鍋島藩が有田の優秀な職人を囲って、繊細で華やかな絵付けで、徳川御三家の献上品をつくらせていたそうです。

一方、波佐見焼は長崎県波佐見町を中心に生産されます。
波佐見焼は、白磁に藍色の染付を施したシンプルなデザインが多く、日常使いの食器として親しまれてきました。
日常使いに適したシンプルで実用的なデザインが多く、比較的リーズナブルな価格で提供されています。

こちらも参考までに、波佐見焼も大村藩の支援を受けながら白磁や青磁にあい色、淡色の絵付けを施したシンプルな磁器を基本とし、
主に日用食器をつくりながら肥前の中核的な磁器産地に成長していきます。

有田焼とは異なり、波佐見焼は日常使いの食器として使われることが多いですね。


歴史的に見ても有田焼と波佐見焼は、17世紀に朝鮮半島から渡来した陶工によって、ほぼ同時期に磁器の生産が始まりました。
有田焼は、鍋島藩の保護のもとで発展し、献上品や海外輸出用として高級品が作られました。
一方、波佐見焼は、大村藩の支援を受けながら、庶民向けのシンプルな食器として生産されました。

かつては、有田焼と波佐見焼はまとめて「伊万里焼」として流通したり、「有田焼」として販売されたりしていました。
前にも書きましたが、NHK「ブラタモリ」によると、
2002年に発覚した雪印牛肉偽装事件ををきっかけに生産地の表記が厳格化され、波佐見は有田焼の名称を使えなくなり、
以降「波佐見焼」の名前で販売されるようになりました。
だから、「波佐見焼」というブランドとしての歴史は浅いのですね。
しかし、焼き物の産地としての歴史は古く400年以上の歴史があります。

こうして見てきたように、有田焼と波佐見焼は、同じ地域で作られ、歴史的にも関係が深い焼き物ですが、デザインや用途、歴史的背景に違いがあります。
有田焼は華やかで高級、波佐見焼はシンプルで日常使い、というイメージで捉えると良いでしょう。


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