2025/06/23 09:17

波佐見焼
波佐見焼(はさみやき)は、長崎県で作られる陶磁器です。
21世紀になって新たに誕生した「やきもの」の産地です。

NHK「ブラタモリ」で得た知識によると、
波佐見町は、佐賀県の有田の隣にあり、波佐見焼は有田焼の下請け業となって発展したのですが、
2002年に発覚した雪印牛肉偽装事件ををきっかけに「地域ブランド表示」が日本全国的に厳格化され、
波佐見町も下請けから波佐見焼として独立することを余儀なくされたようです。

ただし、波佐見町でのやきものの歴史は古く、江戸時代の後期には、染付磁器の生産量が日本一だったこともあるようです。
当時、波佐見焼は無名のブランドであり、波佐見町の窯元は将来に不安だったようですが、
江戸時代の波佐見焼に立ち返り、「現代生活に合った大衆向けでリーズナブルな日用食器」を目指して今の地位を築き上げたそうです。
その言葉通り、日用食器の一つ、唐草模様を筆で簡単に描いた「くらわんか碗」は丈夫で壊れにくく、波佐見焼の代表作です。

波佐見焼は、現在は磁器として知られていますが、16世紀頃に波佐見で焼かれていたのは陶器だったそうです。
その後、朝鮮から磁器をつくる技術が伝わり、良質の原料が発見された波佐見でも本格的に磁器の生産が始まりました。

磁器と陶器の違いは、どちらも陶磁器の一種ですが、原材料、焼成温度、質感、吸水性、耐久性などに違いがあります。
陶器は粘土を主原料とし、比較的低温で焼かれるため、吸水性が高く、ざらざらとした質感で、衝撃に弱い傾向があります。
一方、磁器は長石や陶石を主原料とし、高温で焼かれるため、吸水性が低く、滑らかな質感で、強度が高いのが特徴です。

陶器と磁器の違い
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・原材料
陶器:陶土と呼ばれる粘土を主原料とします。
磁器:陶石を粉砕した石粉を主原料とします。

・焼成温度
陶器:比較的低温(800℃~1300℃程度)で焼成されます。
磁器:高温(1200℃~1400℃程度)で焼成されます。

・質感
陶器:ざらざらとした質感で、手で触ると温かみを感じます。
磁器:滑らかでツルツルとした質感で、冷たく感じます。

・吸水性
陶器:吸水性が高いため、水が染み込みやすく、汚れやすい傾向があります。
磁器:吸水性が低いため、水が染み込みにくく、汚れにくいです。

・耐久性
陶器:衝撃に弱く、割れやすい傾向があります。
磁器:硬く、衝撃に強く、割れにくい傾向があります。

・透光性
陶器:光を通しません。
磁器:光をある程度通します。

・音
陶器:爪などで弾くと鈍い音がします。
磁器:爪などで弾くと高い音がします。

■見分け方
上記の透光性や音で判断できます。
さらに、手で触って、ざらざらしているか、滑らかかの質感でも確かめられます。
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