2025/05/22 14:25

酒器の違いで味が変わることをご存知ですか?
ドリンクは、飲み物を入れる器によって味が変わります。
それは、素材、形状、厚みなどによって舌触りや味を感じる部分が変化するためです。

小さい器で飲むと、舌の先で味を感じるため、濃く感じ、
大きい器だとした全体で味を感じるのでまろやかに感じる
ということが起こります。

そのため、器によって、同じドリンクでも味が変わるということが起こるのですね。

さらに見た目も味に影響します。
料理などは色や形も考え抜かれて、お客様に出した時の
お皿の向きにまで注意を払います。
飲み物も、100円のコップでは味わえない、見た目の美しさが
味に影響するからこそ、切子のような高価な器も必要なのですね。

素晴らしい飲み物や料理は器にもこだわりがあります。

それぞれ以下のような特徴があります。

1.素材
・ガラス:味わいをシャープに感じ取ることができ、最も酒質を見極めるのに適しています。
・木 :杉材やヒノキ材は、その香りそのものも楽しみながら飲むという楽しみ方もあります。
  口触りから、お酒を優しく感じさせる効果もあります。
  祝いの席では漆器や升が用いられますが、同じ木でも全く異なる味わいに。
・陶器 :味わいをやわらかくさせ、穏やかにします。特に口当たりの変化が大きい器です。
  薄く滑らかな漆器は、口当たりが格別です。
・金属 :主に銅製や錫製が有名で、伝熱性に優れ、安定した温度帯で飲むことができます。
  錫製はイオンが混ざり、味がまろやかに感じる、とも言われていますが酒質が変化するのかはわかりません。

お酒の色を楽しみたい時は、ガラス一択。酒器自体に匂いがないため、お酒そのものの味を堪能できます。

2.形状
形状は主に酒器の飲み口が大きく影響します。
香りを高めたり、抑えたりする効果があり、また空気に触れる量によって酒質が変化します。
先に書いたように小さい入れ物で飲むと、舌の先で味を感じるため、濃く感じ、
大きい入れ物だとした全体で味を感じるのでまろやかに感じるのです。

3.厚み
酒器の厚みは、飲む時に器を持った時に感じる手触りや切子などはその凹凸なども見た目と相まって味に影響します。
また、口触りも影響し、厚みのあるものは、酒質をやわらかく、穏やかな印象にします。
薄いものはスッキリと繊細な酒質を感じさせてくれます。

普段呑んでいるお酒も「どの酒器が合うかな」と試してみると楽しいですよ。

また、まんがの「美味しんぼ」で書いていましたが、ワインだと魚介に合わないことも多く、エスカルゴにも合うワインは選ぶのが難しいようです。
日本酒は、シーフードはもちろん、肉料理にも合わせられ、さらにナッツやドライフルーツなどにも合うものもあります。
しかも、世界の酒類の中で、最も飲用温度帯が広いお酒でもあります。冷やしても、熱燗にしても美味しく飲むことができます。

あなたの好きな銘柄やとっておきのお酒を見つけるのはもちろん、
どんな酒器を選ぶと、最高の状態で飲めるのかもいろいろ試してみると
さらに美味しい飲み物が味わえますよ。

ちなみに、私は何を飲む時にも切子が多いのですが、
コーヒーには合わないことが多いように感じます。
ガラスが合わないのでしょうかね。
ガラスはアイスコーヒーならましな気がします。

人間が美味しいと感じるのは、最も大きいのが視覚、
その他にも器の口当たりや手触りなど様々な要素があり
器の味に与える影響は少なくないと思われます。

皆さんも器による味の違いを確かめて、より美味しい食事や飲み物を見つけてみてください。


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