2025/02/26 23:38
江戸切子は、以下のような工程を踏んで作ります。
・割り出し(わりだし)
模様をカットする前のグラス(素材であるガラス)を、チェックして、気泡や鉄粉などがないか調べ、回転台にのせます。
カットの目安となる基本線を、割り出し台を使い、ガラスの表面に縦横線をマーキングしていきます。
これを「割付け(わりつけ)」といいます。
あくまで基本線なので、割り出し作業では細かいカットの線は描きませんが、
この基本線を描く時点で、既に職人の個性が出てくるようです。
ちなみに、墨付けといわれるこの作業、今でこそ、マジックペンなどの便利なものがあるのですが、
そんなものが無かった時代は、名前の通り、竹棒や筆で墨の線を描いていたようです。
・荒摺り(あらずり)
割り出しで描いた線にそって紋様の基礎になる部分をカットする作業です。
割付けに沿って、デザインの大枠となる線を、ダイヤモンドの粒子が塗布された、回転する円盤状のダイヤモンドホイールでカットします。
職人の長年の経験と知識による熟練度が試される作業で、カットの幅や形・深さなどによりダイヤモンドホイールを使い分け、削り出していきます。
ちなみに、ダイヤモンドホイール登場以前は、金盤や砥石を使用してガラスを削っていたらしいですが、
ダイヤモンドホイールの登場で、カットの効率は一気に向上し、文様の精度や仕上がりの美しさにも繋がりました。
・三番掛け(さんばんかけ)
その名の通り三番目の作業という意味です。
粗摺りで使用したものより細かい目のダイヤモンドホイールに変え、その大きめのカット模様をさらに細かくカットしていく作業です。
回転するダイヤモンドホイールで、カット面のザラつきなどを滑らかに整えます。
カットの幅や形、深さなど、さらに細かい削り出しを行います。
この作業によってデザインがほぼ決定します。
・石掛け(いしがけ)(文様のカット)
文様や特徴に応じてダイヤモンドホイールを変え、細かいカットをしていきます。
荒摺りや三番掛けより細かいカットを仕上げていき、全てのカットが完了します。
・磨き(みがき)
カットし終えたグラスに輝きを与える「酸磨き」作業を行います。
・完成(かんせい)
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